シュートの名投手



シュートと名投手

カーブと同様にシュートが広くピッチャーの持ち球となっているのは、ピッチャーが投げる内角に向ってくるシュートに対応しようと、打者が体を開いてスイングの態勢をとった場合、その場合に不意を突いて逆球のカーブなどを投げた場合、外角のボールに対して態勢が崩れてスイングが崩れやすくなる。そのため、このシュートをカラダに覚えさせて自分の持ち球とすることができたピッチャーではない限り、真の一流投手になることは不可能だといっても過言ではないと思います。


シュートの投げ方



平松政次のカミソリシュートは球界随一の巨人のバッター陣を苦しめ、特に長嶋茂雄相手に抜群の威力を発揮したとされています。江川卓のライバル西本聖のシュートは、鋭い変化に特性があって、それが打者の目を狂わせ球速以上の直球スピードをバッターに体感させて翻弄しました。


西本聖



もう一人、甲子園センバツ優勝投手の西川佳明は、シュートやカーブを織り交ぜながら打者の目を狂わせる投球術に本領を発揮していましたが、今ひとつ武器となる持ち球を取得することができなかったために、プロではシュートを織り交ぜた投球が研究されてからは、勝ち星を増やすことができなくなりました。

さらに最も記憶に残るピッチャーとしては、潮崎哲也を挙げないわけにはいきません。


潮崎哲也 シンカーの握り



スライダー球の対称として投じたシンカー、正確にはシュート回転と同様の軌道を描くシンカー球が、バッターの胸元に浮き上がり、バッターの手元でストーンと急落してゆくさまは、バッターに投じた球の軌道により大きな錯覚を与えました。ワンイニング・ツーイニングながら、三振の山を築きあげてきました。最終回の完璧な投球術で抑えのリリーフ役をまっとうし、1990年代における西武ライオンズ黄金時代の立役者の一人に挙げられます。



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